Ka na ta の昔話
2018/01/6

 

 

 

 

 

 

 

新年明けましておめでとうございます。

 

 

 

みなさま、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

本日、昔のハードディスクを整理していたら、私が初めてKa na taの展示会にお邪魔した時の写真が出てきました。

 

 

 

とても懐かしい気持ちになったので、少し昔話を。

 

 

当時のKa na taの写真や、デザイナー加藤さんの言葉を交えながら。

 

 

入荷のお知らせ、とかじゃなくてごめんなさい。

 

 


 

2014年の5月ごろ、Ka na ta富ヶ谷直営店にて。

 

 

写真の「ぼくはさいていにんげん」と書かれたニットを見ながら、

 

素敵ですね、とお話していたら、

 

 

「このニットはさいていな人にしか売らないから、自分のさいていだと思うことを1つ教えて」

 

 

と加藤さんに言われて、答えた内容を今でも覚えています。

 

私は本当にしょうもないことをお話ししました。

 

 

 

 

 

 

 

「ぼくはさいていにんげん」ニットは販売されることはなかったようです。

 

 

 

 

 

 

「いちばんさいていな人に

ぼくはさいていにんげんニット プレゼントしまする。」

 

 

 

多分このニットは、この大喜利に素敵な答えを出した人に届いているんだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

こちらの「BUS」と書かれたニットは、2014年秋冬の服の中でも大きな意味を持っていました。




 

 

 

 

 

「可愛い子は、沢山いる、増殖しているかもしれません。かわいいに近づくこと、その方法論は色んなメディアが伝えています。

 

ブスは、ほとんどの女性がブスを内在しているのでぼくが考えることは不可能に近いです。

 

バスを探しています。」

 

 

 

 

 

「この日本では、 ブスとして生きることも、かわいく生きることも、対して難しくありませんが、それはあまりに疲弊します。

 

というわけで、バスとぼくらが呼ぶ女性はどのような女性なのか、

 

すこし考えてみたいと思います。」

 

 

 

 

 

「そして、男性は、しばらくの間、格好つけたら、

 

その先にいかなければいけないと思います。

 

after fashionの扉を開けます。

 

そしたら、楽しくなるよ、服は。

 

それをぼくらは、身物と呼びます。

 

着物ではなく、身物です。」

 

 

 

 

 

 

「男性は、メディアが作り出した、かわいいとか、綺麗とかいう

 

造作的女性に対して、

 

もしほれたのなら そんなにがんばらなくていいよ

 

と言ってあげて

 

戻してあげてほしいのです」

 

 

 

 

「彼女は今日も、わたしはブスだと言ってわらった。」

 

 

 

 

 

 

Dear Joze.の代表を務める私は、このコレクションが好き。

 

 

加藤さんとの初対面の日で、初めての展示会でもあって、何時間も悩んでやっと完成させたオーダーシートがあって。

 

 

今でも1シーズン1シーズン大切に、大切にオーダーをしているけど、2014年の秋冬だけはやっぱり特別なんです。

 

 

 

 

 

この時、取り扱いは叶わず2014年秋冬の服を私の手で皆様にお届けすることは出来ませんでした。

 

 

 

いつか、と願っています。

 

 

 

 

もう一つ、昔話を。

 

 

 

2014年5月の初めての日から、定期的に東京で加藤さんに会って、お話しして、ワインを飲んで、と過ごしていました。

 

 

その年の10月末頃、夜が一気に冷え込んだ日、

 

 

薄着の私に加藤さんは1着のニットをプレゼントしてくれました。

 

 

 

高価な衣服ですので受け取れません、とお話しすると、

 

 

「取り扱いのできないブランドのために、いつも東京まで来てくれるから」

 

「寒いでしょう。このニットぬくいから、あったかく名古屋帰れるよ」

 

 

と言って、その場で着せてお見送り頂きました。

 

 


 

 

私は、このニットが好き。

 

今も大切に着用しています。

 

 

Ka na taのコレクションや、服の1つ1つに思い入れがあります。

 

 

 

 

 

「いつもなにを着ればよいのか、男はわからなくなっていた。このからだ、を委ねるには、服はあまりに意味を含んでいた」

 

 

 

 

加藤さんの言う「意味」は多分、かっこいい、とか、かわいい、とか、流行り、といった多くの「意味」だと私は捉えています。

 

 

 

私にも思うところがあって、それは「シーズン」

 

 

ファッション好きな人たちはシーズンを気にする。

 

 

この服はいつのシーズンですかって。

 

 

衣服に対して、元来そんなもの無いはずなのに、

服にはそんな情報必要無いはずなのに、

ファッションやメディアがそうしたんだと思います。

 

 

何シーズンか前の服を着ていたら恥ずかしいなんて、遅れてるなんて、どっかのファッション誌に書いてある通りに。

 

 

もし、Ka na taが5年前の服と同じものを今発表してもお客様は求めてくれる気がしています。

 

 

 

私はKa na taの昔の服や、見たことも無い服を着て遊びに来てくれるお客様みなさんが好きですし、ワクワクします。

 

 

その人の、その服の思い出を話してくれることがとても多いから。

 

 

そういう衣服って素敵だと思うんです。

 

 

今更私が言うことでも無いとは思いますが、過去の服だということを恥ずかしがる理由は一つも無いと本気で思っています。

 

 

 

それ以上に、その時のその服を着ていることが自分だけの自信になるような、

私にとってKa na taはそういう服です。

 

 

私にとって、2014年が特別なように、

誰かにとっては2010年だったり、2020年だったり。

 

 

 

 

Ka na taは12年の歴史の中で、

10周年を記念した1度のみしかセールをしていません。

 

 

Dear Joze.も同様に「過去のものだから」という理由でセールをしていません。

 

 

 

セールでさばく、といった行為をしないためほんの少しではありますが、過去のものも店頭には並んでおります。

 

 

Ka na taは私が出会った頃から変わっていません。

 

 

今後初めてDear Joze.に来る人方には全くもって新旧の区別がつくことは無いと思います。

 

 

そういった服だから安心して、ふらっとお店に出会いにいらしてください。

 

 

来年も、再来年もその先も安心です。

 

 

一通りKa na taの今までの服を見終えたら、

次に加藤さんがどんなものを作るのか、

期待して次の季節をお待ち頂く。

 

 

こんな風にDear Joze.で2018年をお過ごし頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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